称賛タクロース

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東京にはたくさんの人が、さまざまな人がいて

 

描くままにいきてみようと背中をおしてもらえる。

 

 

 

今日も山手線の車内は混雑。

 

大半の人がうつむきスマートフォンをじっとみつめている。

 

なんだか人形みたい、といつも思ってしまう。

 

 

 

しかし今日はいつもと違った。

 

 

シーンとする車内から何やらカチカチカチカチ軽快な音。

 

音のほうへ視線をやると

 

40代なかばの男性がうつむき見つめているのはスマートフォン・・・いや、

 

まさかの

 

ルービックキューブ・・・!!

 

カチカチカチカチ、音を立てながら真剣そのものでスピーディーに動かしている。

 

 

なんだろう。

 

スマートフォンを見る人と同じ目線や恰好なのだけど違う。

 

自然に体全体を使って指先を動かしているのか、

 

脳も心も体もいきいきしているのか、

 

立ち姿に躍動感のようなものがある。

 

電車がゆれてもものともせずカチカチカチ・・すごい安定感だ。

 

カチカチもかなり大きな音なのだけど、リズミカルで小気味よくて心地よい(笑)

 

 

とにかく目が釘付けになってしまった。

 

 

 

 

カチカチは次第に鈍い音となり、停止。

 

男性はすべての面を確認。

 

私も一緒に確認。

 

うん、完成だ(笑)

 

 

 

するとそれと同時に、電車のドアがサーッとあき、男性は颯爽とホームへ消えていった。

 

 

・・・・時間内達成か!

 

 

かっこよすぎる・・かっこよすぎるぞ・・!(震)

 

 

 

見慣れない光景に、妙に興奮、拍手を送り称賛したいくらいの気分だった。

 

まわりとおなじでなくていい。

 

私は私。

 

そのいさぎよさ、かっこよいのでは。

 

と思わせてくれた贈り物をくれた彼は、サンタさんだったかもしれない。