画家 平井千香子さん

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「美しいとか、びっくりしたとか。 自分が感じたものを描きたいんです。」

 

 

上市町在住の画家・平井千香子さん。

 現在、富山市で個展「脈拍」を開いています。

 

 

 

 

深紅の薔薇に、蜥蜴。

 

始祖鳥が、雲となって大空に。

 

 

自然も、動物も、人間も

 

 

 

すべてはひとつ、と思えてきます。

 

 

 

平井さんは洋装デザイナーをめざして東京の専門学校に通っていましたが、

 次第に絵を描くことへ心が動き、10年間、独学で描き続けてきました。

 

今の作風は、富山に帰ってきて生まれたものだといいます。

 

 

「はじめは、全くこうではなかったんです。

 25歳のとき富山に戻ってきて、何て自然が豊かなんだろうって。

 自然の中の人間、というのがいいなぁって自然を描くことが多くなりました。

 動物は息子の影響です。

 今まで全く興味がなかったのに、一緒に図鑑などをみているうちに獣に憧れて(笑) 

 厳しい自然の中で生きていく強さや洗練された姿が、かっこいいなぁと思うんです。」

 

 

 

 

 

「これは耳なし芳一です。

 子供のころ銭湯で初めて刺青を見て、美しいなぁと思ったのがずっと印象に残っていて。

 ピラルクー(体長が4mほどあると言われる淡水魚)の刺青を

 芳一のセクシーなイメージに組み合わせてみました。

 耳の部分は、ぽろっと落ちてしまう庭のナツツバキが物語に重なって・・・。」

 

見えないものも見えるのかしら?と思ってしまう発想は

植物や生き物をじっと見つめていると、ふと浮かんでくるのだとか。

 

 

平井さんが筆をとるとき、大切にしているのは

感じることだといいます。

 

 

「考えると形に捉われすぎてしまうので、感じるんです。

視野を広くしないと感じられなくなるので、決め事もつくりません。

『脈拍』の作品は脈をはかるとき集中するように、じっと見つめて描きました。

鼓動が感じられるような作品たちから、必死に生きていく命を伝えられたらと思います。」

 

(ひらい・ちかこ 上市町出身)

 

 

 

平井千香子展「脈拍」

 

7月1日(日)まで ※月曜休廊

 

富山市 ギャラリーNOW

 

(※写真は特別に許可を頂き撮影させていただいております)