10月から中国新聞カルチャー教室の朗読講座を担当することになり、
月曜日は一回目の授業でした。
教材は、写真家の星野道夫さんの作品。
アラスカに渡り
壮大な自然や野生動物を見つめ続けてきた星野さんの紡ぐ言葉は
とても美しく力強く、
背中を押してくれるような頼もしさがあります。
そうした魅力をアラスカ旅気分とともに味わっていただけたら、との思いで選びました。
今回のお話は、「白夜」。
北極圏を移動するカリブーの大群を求めて旅していた星野と友人は
アラスカ原野をセスナで飛行していたが離陸に失敗してしまう。
降り立ったのは山の中、
一週間は身動きできないし、壊れたセスナの修理費もさぞかかることだろう・・・。
そんな状況とは裏腹に
その夜は数日間続いた濃い霧が晴れて素晴らしいものだった。
今は太陽も沈まない白夜の季節・・・こんないい夜を逃す手はない。
考えたってどうしようもないな、と二人は気持ちを切り替えて夜の山を登り始める。
そして、二人は求めていたカリブーの大群に、幸運にも出会うのだった。
”離陸の失敗は大きな経済的負担をもたらすのかもしれない。
しかし無事に飛んでいれば、今、僕たちはここにいない。”
自然の営みに比べれば、自分の経験や知識などささやかなもの。
決めつけず、あきらめず、今置かれているなかでの「わくわく」を大切にする。
不運に思える出来事も自分次第で幸運につながりうるんだよ、
と優しく語りかけてくるような物語。
うんうん頷きながら読ませていただきました。
声の出しかた、読みかただけでなく
その物語から生きるヒントを与えられたり・・朗読はそんな面白さもあるのです。
星野さんの作品は次回も続きます・・またご報告させていただきますね^^