広島に残る伝統芸能「神楽(かぐら)」を鑑賞してきました。
もともと神楽は無病息災、魂の若返りを願って踊られた神事芸能ですが、
広島は島根の石見神楽系の神楽を
時代とともに能や歌舞伎などの物語をもとに舞台効果を加えた
独特の郷土芸能といわれているそうです。
会場は、旧日本銀行広島支店。
昭和初期に建てられたギリシャ・ローマ建築様式がお洒落な被爆建物で
原爆の歴史を伝えるとともに今は美術展の会場などとして利用されています。
舞殿でひときわ鮮やかに目だっていたのが、こちら。
切り飾り、という五色の紙幣です。
神楽は五行思想がとりいれられ
舞殿の上部は天空を表しているのだそう。
神秘的です。
そして開演。
私は神楽に悠々かつ小難しい舞台のイメージがあったのですが・・・
軽快で激しい太鼓や笛の音にあわせ
役者さんがくるくる回る回る!
バレリーナも真っ青な、くらい。
しかも衣装は重さ20㎏!それをまとってくるくる!
華麗な回転で衣装の細かな模様に色鮮やかな裏地もよく映えます。
鬼さんは、片足を上げたまま舞台をすすすーっと移動・・・!
マイケルジャクソンさながらの鬼業です。
その他、ドライアイスがもくもくっと舞台を漂ったり、
蜘蛛と闘うシーンでは蜘蛛の糸が客席にぱぱーんと飛んで来たり。
はたまた、客席に降りて好き放題する鬼さま。
子供は泣き叫び、大人は爆笑。
こちらを置いてきぼりにすることなく、距離の近い伝統芸能のようです。
インドネシアでバリ舞踊を観てきましたが
物語や踊り、音楽、演出にいたるまでよく似ていました。
形は違えども伝えたいものは同じ。
大切なことは世界共通なんですね。
とにもかくにも
神楽にすっかり魅せられた私。
広島に住んでいる間にすべての演目をみるぞ~と心に決めたのでありました。