チェコアニメの巨匠といわれるアニメーション作家、カレル・ゼマンの映画を観てきました。
「幻想の魔術師」とも呼ばれ
ティム・バートンや宮崎駿にも影響を与えたというカレル・ゼマン。
正直、全く存じ上げなかったのですが
広告に掲載された絵があまりに美しかったこと、
そして「切り絵アニメーション」という言葉に惹きつけられ行ってみることに。
観たのは、ゼマンの遺作「ホンジークとマジェンカ」(1980年)。
世界を旅する青年、ホンジークが妖精のマジェンカに出会い恋におちるのですが
生きる世界の違う二人に愛を試す試練が次々と訪れ・・・という恋愛物語です。
ゼマンは人形と実写の合成など
多彩な手法を使って画期的な作品に取り組んできましたが、
晩年は原点に立ち戻るかのように
古典的なおとぎ話を題材に切り絵のアニメーションを世に送ります。
色鉛筆で描かれたような淡い色合いに柔らかなタッチは
映像なのに目がチカチカすることなく、とても優しい^^
精巧な現代のアニメとは違い
人物の動きはカクカクと不自然だし、表情や背景も変化が乏しい。
そのうえ人物の台詞も少ない。。。
でも、そこがゼマンのねらいのようで
情報を少なくすることで
紙芝居をみるかのように、本を読み進めるかのように
自分の想像力を膨らませながら物語を楽しんでほしいという思いが投影されています。
押し付けることなくシンプルに魅せる映画は
60分なのにあっという間に感じました。
機会があればぜひご覧ください^^