奈良へ心旅してきました!
旅先は、高岡市のミュゼふくおかカメラ館。
奈良に根ざして大和路の撮影を続ける
御年81歳(!)の写真家・井上博道(いのうえ・はくどう)さんの写真展におじゃましました。
東大寺や薬師寺といった古建築や仏像など200点余りの作品は
どれも力みなぎり
実物がそこにあるかのよう。
館内は参道を歩いているような感覚です。
そして
井上さんのファインダーを覗く視点の面白さ。
大仏さんのパーマがばっちり見られる上からのアングルや目のどアップ、足裏など
「そう見ますか!」の連続なのです。
思わずため息をもらすのが
「美の脇役」 と記された一角。
大阪城の「石垣」、平等院鳳凰堂の「天蓋」。
また障子やふすまの引手、灯篭など
有名な建物で見落とされがちな「脇役」たちの集まりです。
お寺や仏像の前に立つと
その歴史と見事な手仕事に圧倒されるせいか
吸収できるのは、主役でせいいっぱい。
目に入っているはずなのに、いつのまにか記憶が薄れている彼等。。。
でも彼等こそ
作り手の遊び心やこだわりどころで
「よくぞ見てくれた!」ポイントなのかもしれません。
だって、よーく見ると、すごく楽しんで作ったんだな~というのが伝わってきましたので!
脇役で 作者の人柄 わきわきし
さりげない部分のこだわりに
その人の個性やスタイルがぐっとみえてくること、ありますよね。
~井上博道の眼展~
3月25日(日)まで
9:00~17:00
高岡市 ミュゼふくおかカメラ館
カメラ館は、富山市内からはおよそ1時間。
決して近い、とはいえません。
でも、この距離がいいんです!
目に見える世界を捉える写真作品を見たあとは
映画館を出たあとに似た余韻があり
いつもの風景がなんだか違ってみえる面白さがあります。
だからこそすぐにおうちに到着、なんてもったいない!
家に着くまでが遠足、のような気持ちで
ゆっくりゆっくり咀嚼しながら家路を楽しむのには、最適な時間です。
(※写真は特別に許可をいただいて撮影しております)